水稲不耕起乾田直播栽培水田における土壌溶液および田面水中のリン濃度の推移

摘要

岡山県で現在行われている水稲の不耕起乾田直播栽培（以下，不耕起栽培）は，水田表面に稲わらがあっても精度よく播種できる逆転溝切覆土式不耕起乾田直播機の開発により，県南部を中心に1993年頃から普及している．不耕起栽培は省力を主目的としているため，施肥は全量基肥が中心で，このときの施肥法の一例は次のとおりである．窒素ほ被覆尿素の単体のみを播種機に搭載し播種溝へ施用する．リンとカリウムほ，PK化成を播種前後の作業条件のよい時期に全量基肥として表層散布する．ただし，初期生育を促進する必要がある品種を栽培する場合には，速効性の窒素を播種後表層散布するか，速効性窒素の入った被覆複合肥料を使用する．