移植タマネギにおける肥効調節型肥料を用いた ポット内施肥法

摘要

タマネギは北海道の主要作物の一つで，網走，上川，空知地方などを主産地として全道で12,300ha (2007年）作 付される.近年は448穴のセル成型トレィで育苗したポッ ト苗凇尾，1996)を用いた移植栽培が急激に普及してい る.北海道施肥ガイド（北海道農政部，2002)における移植 タマネギの窒素施肥量は，窒素肥沃度が中庸な土壌で15g -Nm~(-2)と設定されているが，生育初期（移植後1力月間） に多量の降雨があつた場合には4g-N m~(-2)の追肥を認めて いる.しかし，化学肥料の慣行施用量は20g-Nm~(-2)と多 く （北海道クリーン農業推進協議会，2005),実際には多 雨による窒素流亡とそれに伴う収量の低下や不安定化を懸 念して，それを回避するために肥料を過剰に投入する事 例が多ぐみちれる（北海道立中央農業試験場，1996;北海 道立中央農業試験場'北見農業試験場，2007).そのため， タマネギは環境への窒素負荷が危惧される作物の一つに位 管付けられている（三木，2002 ；鈴木ら，2010).