日本魚病学会シンポジウム薬事法改正後の魚病対策の問題点－HACCP管理下における水産用医薬品の適正使用に向けて－

摘要

平成15年7月の薬事法改正により，未承認医薬品の使用禁止および使用規制の対象動物が食用に供されるために養殖されている水産動物に適用されるようになったことから，養殖生産現場では薬品やワクチンが使用できない例が増えたため，水産用医薬品の適正使用に向けて魚病学会としても協力してほしいとの強い要望が会員よりありました。 こういった薬事法改正に加え，最近の食品安全に対する消費者の関心の高まりに対して，魚病対策をどのように改良していくかも，生産現場での大きな課題です。 日本魚病学会では，このような生産現場の要請に対して何らかの対応をする必要があると考え，このシンポジウムが企画されました。本シンポジウムは，生産現場で魚病対策としての水産用医薬品使用にあたって，薬事法改正によりどのような問題が起こっているのか，それを解決するためにどのような科学的裏付けを求められているのか，今後の魚病対策をどのように進めていくべきか等について，薬事法改正の主旨ならびに食品安全性の確保のためのHACCP管理下における医薬品使用の問題点を踏まえて忌憚のない意見交換を行うことを目的としました。