二枚貝類飼育技術研究会の紹介

摘要

アサリ，ハマグリ等の二枚貝類は，貝塚古墳で知られ るように古くから我が国の食文化に欠かすことの出来な ぃ食材であり，干潟で容易に採捕することが可能なこと から観光レジャ一資源としての側面も併せ持つ重要な水 産資源です。しかし，近年二枚貝類の国内の漁業生産量 は大きく減少し，外国産の輸入割合が高くなつていま す。また，天然稚貝の発生も減少傾向が続いており，ァ サリでは不足する種貝の種苗として外国産稚貝の輸入放 流が各地で行われた結果，遺伝的攪乱の危惧やそれまで 国内に存在しなかつた外敵生物や病原生物の侵入も引き起こされ，「食の安全安心」についても危惧されていま す。二枚貝類の種苗生産は，養殖用種苗のほか放流用種苗 としても飼育技術の検討が進み始めているものの，対象 となる品種が多いことに対して取り組み機関や研究者数 は少ないため，技術的問題について検討できる場がほと hどありませhでした。