肉牛および乳牛の繁殖成績における微量ミネラルの重要性

摘要

必須微量ミネラル（必須微量元素）とは、動物が栄養素として摂取しなければならない元素のうち、一日の要求量がmg単位のものであると定義することができる。牛における必須微量ミネラルとして、亜鉛、鋼、マンガン、鉄、ヨウ素、コバルト、セレン、クロムが挙げられる。体内における微量ミネラルの役割は、さまざまな酵素、タンパク質、ホルモンに組み込まれ、それら生体物質の構造維持や活性をもたらすことである。　そして各ミネラルについて、どの程度の量を摂取すれば欠乏を回避できるかという、いわゆる要求量が、日本飼養標準として、あるいは米国ではNRC（National Research Council）という機関から、提示されている（表1）。要求量を下回るミネラル摂取量では、酵素やタンパク質の量や機能が低下することによって、欠乏症を発症するリスクが高まる。あるいは、欠乏症には至らなくても、農場の生産性（増体、繁殖成績、泌乳量、子牛の発育、など）を低下させている。