石川県における山間地圃場整備と受益者の対応

摘要

石川県津幡町興津地区において，平成8年度から中山問地域総合整備事業が行われた。 この地区の平均地形勾配は1／10，現在多くの問題を抱えている山間地棚田地帯である。本報は，この地域の囲場整備状況と，それによってもたらされる受益者の対応について述べたものである。すなわち，整備により一筆平均3aであったものが約5倍の16aに拡大され，さらに耕作道路の設置，パイプラインの導入，溜他の改修等，生産、利水環境が大幅に改善された。 これに伴い，営農組合が組織され，委託事業の実施，また，担い手の確保も可能となった。 しかし，排水対策，水管理者の確保等，いくつか問題の生じていることも明らかとなった。