業施設に関わる研究、技術の最近の展開:穀物関連の荷受、乾燥を担う施設について

摘要

穀類共同乾燥調製（貯蔵）施設（以下，共乾施設）は，昭和27年に奈良県に作られた20石（処理能力2 t)乾 燥機2基を備えたライスセンターを皮切りに，漸次設置 数が増加していった（全購連農機施設部，1970)。その 後，米国型のカントリーエレベータを導入した方が，労 力的，経営的に有利であるとの判断から，昭和39年に 国内初のカントリーエレベータ力5,秋田県，新潟県，石 川県に3基建設され(全農開発資材部，1973)，現在では， カントリーエレベータ893基，ライスセンター3409基 が稼働している（全国米麦改良協会，2015)。カントリー エレベータの仕様については，昭和39年からの「米麦 生産流通合理化モデルプラント設置運営事業」で建設し た23基のデータをもとに，昭和45年に農林水産省で「大 規模乾燥調製貯蔵施設の地帯別設置運営基本計画の策定 について」いわゆる「標準仕様」が策定された（全農施設-資材部，1993a)。この「標準仕様」は，農業を取り巻く 情勢とともに，農産物の安全及び高品質化にともなう乾 燥機や調製機等の技術革新を受け，平成5年と平成17 年に現状に応じた改正が行われてきた（和田，2014)。