大規模雇用型経営と常雇労働力—日本人と外国人技能実習生をともに雇う香川県の法人経営の事例分析を中心に一

摘要

2005年から2010年農業センサスの変化は，両極分 解,大規模経営の都府県での顕著な増加,特に組織経 営体による30ha以上の経営体増加である（梶井2015). そしてこの動きを支えるのが雇用，特に常雇（農業セ ンサスでは7カゝ月以上の雇用契約を結hだものと定義) だということである（安藤2013). 2010年の都府県の 経営耕地面積5 ha以上層の農業経営体（総農業経営体 の4.2%)は総経営耕地面積の32.0%,常雇の25.3%を 占めるが，農産物販売金額2千万円以上層（2.6%)は 総経営耕地面積14.5%,常雇63.4%を占める.総経営 体のわずか3%の大規模販売額の農業経営体（多くが 組織経営体と見られる）に6割もの常雇が集中し，耕 地面積の拡大以上に販売額増加に常雇が大きく貢献し ていることに注意を払いたい.