ヤマイモの新芋と花穂の発育制御に関する研究〔5〕 －日長と植物成長調整物質の組み合わせ処理の影響－

摘要

前稿で‘イチョウイモ’の主枝，むかご，新芋および花穂の発育に及ぼす植物成長調整物質の影響を調べた結果，植物成長調整物質の中では，とくにジベレリンの作用が顕著であったので，本稿ではさらに詳細に検討するため，日長と組み合わせて調べた結果を報告する．使用する植物成長調整物質は，前稿と同じ種類のジベレリン，ウニコナゾールPに加えて，ジャスモン酸より効果が強いとされるジャスモン酸誘導体（竹内、禿1997）およびアスピリンと同様にジャスモン酸の生合成阻害剤と考えられるサリチル酸（瀬尾ら1997）を用いて調べることにした．また，種芋の大きさは，前稿で植物成長調整物質の薬害か生じずに健全に発育した50gの種芋で明らかにする．