平成19年度園芸学会春季大会に出席して　－果樹，野菜，花き，利用部会別の成果w（平成19年3月24～25日　京都テルサ）

摘要

平成19年度園芸学会奨励賞の顕彰があった．果樹関係では，立石氏（日大）の「ナシおよびアボカド果実の軟化に関与する細胞壁多糖類分解グリコシダーゼの単離と機能解明」，別府氏（香川大）の「暖地における甘果オウトウの結実性の問題とその改善」，それぞれの課題に対して賞状と副賞が授与，贈呈された．　 4部会構成となって1年が経過し，研究発表課題は口頭発表が70課題で前回大会より減少したが，ポスター発表が86課題と大幅に増加したため総課題数には大きな変化はなかった．新品種の紹介が6件あった．‘カンキツ口之津41号’は受粉用四倍体ヒュウガナツで，花粉量も多く，本品種の花粉を受粉したヒュウガツは無核果，少核果となり，市場性の高い果実の安定生産に寄与できる（今井ら，農研機構他），リンゴ‘あおり15’は，2004年に品種登録された‘ふじ’ב青り3号（‘東光’בリチャードデリシャス’）’の選抜実生で，貯蔵性の高い晩生品種（青森県で10月下旬）である（今ら，青森農総研りhご試他）．‘紅きらり’は，自家和合性で鮮赤色に着色するオウトウ新品種で，‘レーニア’בコンパクトステラ’の交雑実生である（石黒ら，山形農総研や他）．ブドウ‘ビジュノワール’は，‘山梨27号（‘甲州三尺’בメルロ’）’בマルペック’の選抜実生で，総フェノール含量がきわめて高い，ボディのある赤ワイン用の新品種である（斉藤ら，山梨呆試他）．クリ‘ぼろたh’は，‘550－40（‘29015’ב国見’）’ב丹沢’の選抜実生で，渋皮剥皮性に優れる食味良好な大栗の新品種で，現在種苗登録申請中である（平林ら，農研機構他）．‘クリームパイン’בMcGregorSTイの交雑選抜実生である‘ゴールドバレル’は，果皮が黄橙色，果肉は黄色の高糖低酸の食味良好な夏実用パイナップル新品種である（正田ら，沖縄農研他）．