長護穎稲の歴史的考察および「ハネ」の栽培特性などについて

摘要

稲の籾の構造を図1に示す．玄米を包む籾殻は内穎と外穎の二つの穎からなっている．内穎と外穎はともに舟型をしていて，外穎は内穎の一部を固く包み込hでいる．わが国のかつての在来稲には図に示すように外穎の先端が長く伸びて菅となっている有苦種もある．現在栽培されている多くの稲の籾はだが無い無苦種である．旧い型の稲には内穎と外穎つまり籾の先端部が赤色や褐色なとに着色しているものが多かった．内穎と外穎は小穂軸に付いており，すぐその下には2つの護穎がある．内穎側の内護穎と外穎側の外護穎からなっており，ほぼ同じ形状の剣形をした一対で，長さは通常各々約2～3mmである．さらにその下位には一対の突起状からなる副護頴があり，それは小枝梗，枝梗さらに穂軸へとつながっている．