－地域農林経済研究のセカンド、ステージを－

摘要

私たちが学会名称を地域農林経済学会にかえた（1989年）のは，関西農業経済学会時代に掲げていた「農業、農村現場に根ざす」という学会の研究姿勢を，「地域」と「農林（一体）」という二つの言葉によって明示し，本学会の性格を鮮明にしようとしたからでした．そして今，諸環境を律する「最強の与件」と化したグローバリゼーションの下で，その猛威を緩和し社会のウエルフェアを増大させるための拠り所として，国家／個人の中間領域である「地域」の新たな意義…現代的意義と言ってもよいでしょう…が発見されつつあります．当学会に即していえば，地域を「対象として重視」した時代から，「主体として見つめ直す」時代への転換と言えるかもしれませh．