～事例から学ぶ～養豚診療のチェックポイント⑩臨床現場における食肉衛生検査所卜夕還元事業の有効活用の一例

摘要

平成12年度，離乳子豚の事政率23％のA農場で環境の整備ならびにマイコプラズマ，ハイオニューモニエ不活化ワクチン（オイルアジエバント加ワクチン；MPSワクチン）を実施し，経過を観察したところ，確実に専政の低下と出荷豚内臓廃棄，肺病変の程度が好転し平成16年1月現在，事故率2.7％，内臓廃棄率19.9％に低下し，環境整備ならび新規に採用したMPSワクチンなどが事故低下に寄与したものと考えられた。 当農場の事故率は，平成8年度は9.8％であったが，平成10年度では約3倍の28.0％に達したため，抗体検査などを行い原因究明に努めた結果，PRRSの関与が明らかになった。 しかし，具体的な対策はとられずに経過し平成12年度後半まで事故率は同レベルで経過した。 平成12年度後半より舶合（NOSAI庄内）およびNOSAI山形が行う損害防止事業に本格的に取り細み，環境改善，添加剤の適正使用，ARワクチネーションプログラムなどを行うと同時に，新規にMPSワクチンを採用し，併せて山形県庄内食肉衛生検査所で行っている食肉検査データ還元事業の活用を取り入れ，損害防止専業の評価について検討した内容について述べる（肉豚事故率は離乳後子豚の頭数事故率で以後示す）。