一酪農家における牛海綿状脳症（BSE）による経済的影響

摘要

2001年9月，ちばNOSAI連西部家畜診療所管内のA酪農家において，日本で初めて年海綿状脳症（以下BSE）が確認された。 その後に発覚した牛肉の偽装事件の影響もあり，国の防疫体制ならびに牛肉への不信感が広がり，生産者ばかりでなく，食品業界や消費者を巻き込hで日本中がパニック状態になった。 BSE発生直後からA酪農家は牛乳の出荷が停止され，飼養年も疑似患畜として処分されたため一時的に閉鎖に追い込まれた。 しかし，本人の努力ならびに関係者の協力により同年11月には酪農を再開することができた。 そこでBSEの影響を知る目的で，A酪農家のBSE発生前後の飼養状況，繁殖成績および経済状況の推移を調査した。