早産子牛にみられた播種性海綿状血管腫

摘要

血管脛は血管内皮細胞に由来する良性腫瘍で，血管腔の大きさにより海綿状血管脛と毛細血管脛に分けられる。 動物では犬に最も多く発生し，猫，馬，牛，羊，豚でも発生がみられる。 年齢的には成獣や高齢獣に多く，たいていは単発性で皮膚や皮下織に多く発生する。 牛の血管腺は，多くの場合成牛に発生する。 子牛における発生は1973年と1982年に米国で，1994年にドイツでの報告がある。今回，県内の酪農家において早産で生まれた子牛に血管脛を認めたので報告する。ホルスタイン種の雌子牛。 平成15年10月26日，成牛44頭飼養の酪農家において，予定日より15日早く娩出され，約1時間後に死亡したため病性鑑定を実施した。 母牛は平成10年6月13日生まれで，今回が3産目であった。 なお，前2回の分娩では異常はみられなかった。