シリーズ：大動物診療のための臨床解剖セミナー＜12＞:腹部の臨床解剖（2）

摘要

質問：牛の外観から，腹腔内での第一胃，第二胃，第三胃，腸群および肝臓の位置が大体どこかについてその日ヤすを敢えて下さい。 また大細の分布範囲についても敢えて下さい。ポイント：牛の腹脛はその大部分が巨大な胃によって占められていることはよく知られていますが，ここではその外観から，それらのおおよその位置について，成牛の体をもとに解説します。 ポイントは腹腔左半全部と腹腔右半後部の底部（腹側）は第一胃の各部が，横隔膜直後の最前部に第二胃が，腹腔右半前部で第二胃の後に第三胃が，その上に肝臓が，また腸群は腹腔右半後部の背側に押し込められていることです。 大網は第一胃左縦清から第一胃の下をくぐって，反対側にある十二指腸を経由して，第一胃右縦溝に付着する大きなシート状の袋を作ります（図1）。