柑橘施設栽培

摘要

四月になると早期加温園では、幼果期から成熟期へと移り、果実の品質に最も重要な時期になる。 細心の注意を払って樹体や土壌状態の観察を行い、高品質ミカン生産のための諸管理を徹底する。また、換気扇事故による高温障害には十分注意する。早期加温園では昼温三〇°C、夜温二四°C程度の高温管理を実施していると思うので、引き続き十分な積算温度をとり、品質向上を図る。そして、満開後一〇〇～一一〇日、果径五〇ミリ時点で、クエン酸が二、五％以下に低下していれば降温管理へ移る。 昼温から下げ始め、二～三日に一°Cのペースで昼温二六°C、夜温一六°Cまで下げる。 クエン酸含量は生育ステージと密接に関係しているため、この時点でクエン酸が高い場合は降温時期を遅らせ、ペースも緩やかにする。 逆に、低い場合は早めのペースで降温する。