名澍鑑賞「真柏.銘武甲」

摘要

平成3年、第S回日本盆栽作風展の特別出品として展示された真柏。この展示に際して蔵者である髙木禮一一氏より「武甲」と命名された真柏名樹は大正時代に山採りされた古木と伝えられるが、盆栽界の表舞台に姿を現したのは同展が初めてであつた。大正.昭和-平成と永きにわたつて盆栽として培養され、また類い稀なる素養を有しながら、なぜこれだけの時間を世に出ることなく過ごしてきたのか。知る人ぞ知る無冠の名木「武甲」の歴史を紐解いてみたい。