プドウ晩腐病に対する総合防除対策

摘要

本誌の昨年12月号で触れたように，昨年度は，トンネル被覆栽培のピオ一ネを中心に平年よ り早くから晚腐病（おそぐされびよう）が発生し，シャインマスカットゃ紫苑などでも晚腐病 の発病が目立つ圃場が見られました。発生要因としては，①6月の梅雨前線による連続的な降雨により幼果の感染が助長されたこと，②その時期に計画的な薬剤防除や袋掛け作業ができな かったこと，③8月の高温少雨等で，果粒の酸抜けが早まって成熟が進み，果粒が発病しやす い体質となっていたことなどが考えられます。昨年度の多発生により，結果母枝，巻づる等で 越冬している病原菌の密度が高まっていることが懸念されるため，次作にむけての晚腐病対策 をしつかり行って下さい。