分離給与飼養酪農場における 栄養管理と第四胃変位、運動器、翼便性状との関係およびその改善効果

摘要

近年、乳牛は高泌乳化に伴う分娩後の負のェ ネルギーバランスが深刻化しており、生産性に影響を与えていることから、これをいかに克服 するかが重要課題となっている。しかし、畜産 現場では早期に負のエネルギーバランスから回復させるため、養分要求量を充足させようと濃 厚飼料多給型の飼養管理を行つている農場が散見される。それらの牛群はルーメンァシドーシ スとなり、肝機能の低下、生産病の多発、さら には牛の生産寿命の短縮という結果に陥っている。分離給与の場合、TMR給与と比較して選 択採食が起こりやすく、ル一メンアシドーシス に陥るリスクが高くなるため、各個体が摂取し た飼料内容を把握することがより重要となる。