体細胞クローン肥育牛の相似性について

摘要

近年、体細胞由来のクローン牛の作出が可能になったことから、種々の機関において、体細胞クローン牛を肉用牛の育種改良に応用することが検討されている。 現行の間接検定では、候補種雄牛の能力評価までの検定期間として5～6年を要する。 しかし、体細胞クローン牛を産肉能力検定に用いることにより、検定期間の短縮とともに、検定調査牛の頭数の削減が可能になる。 家畜改良センター十勝牧場では、体細胞クローン牛を用いて、候補種雄牛を選抜する検定方法（クローン検定）を検討している。 すなわち、胚の切断二分離技術により作出された双子のうちの片方を候補種雄牛とし、もう片方の雄牛を去勢後肥育する。さらに双子のいずれかの個体の体細胞から生産された体細胞クローン午も肥育し、それらの肥育成績により、候補種雄牛を選抜する方法である。 また、雌牛については、これまではその産子の肥育成績により、雌牛自体の産肉能力を評価していたが、雌牛の体細胞から作出された体細胞クローン牛を肥育して、その産肉能力をみることにより、早期の能力評価が可能となる。