青森県産業技術センター畜産研究所:名牛「第1花国」誕生の秘話

摘要

和牛の3代系統の1つとして挙げられる糸桜系 統の代表種雄牛は、かっては島根県の「糸桜」 であり、その後は家畜改良事業団の「北国7の8」 となったことは、あまりにも有名な話である。そし て現在はと言えば、青森県の「第1花国」が糸 桜系の代表と言っても過言ではないだろう。その 理由として現在活躍している「第1花国」の息牛 は、事業団の「菊花国」、「茂花国」、「芳之国」、 「金花国」をはじめ民間種雄牛では「花国安福」、 「花福久」、「花之国」、「第5花国」、「花乃国」、 「美国桜」、「花美千」、「梅花平」、「桜花福」、 それに宮崎県の「秀正実」、岩手県の「雪乃花」、 「古都乃花」と各人工授精所等の看板牛となつ ている種雄牛を挙げてもこれだけ多い。あと何年 かすれば、糸桜系統から花国系統という名称に 変わる時代がくるかもしれない。ここまでは余談 として、この「第1花国」が生まれたのは平成5 年であるが、この頃の青森県は和牛改良では全 国最下位クラスに低迷していた。どうしてこhな 奇跡を青森県が起こせたのかについては、全国 の和牛改良に携わる方にはもの凄く興味があるだ ろうと思い、ここに誕生の秘話をご紹介する。