畜産絰営における外部化と 地域連携の必然性: 規模拡大が要請する経営部門の自立化

摘要

畜産経営は経営体数、飼養家畜数がともに 減少しており、縮小再生産の局面が長く続い ている。表1はプラザ合意によって円高に突入した1985年以降の飼養家畜数の増減率を示 したものである。これをみると分かるように、乳用牛は一貫 して減少が続いており、肉用牛は繁殖と肥育 の合計の数字だが、やはり1995年以降、減少 に転じている。大家畜の資源総量が回復する 兆しはみられない。豚も同様で、1990年から 1995年にかけて大きく飼養頭数を減らした後 も減少が続いている。鶏については2005年か ら2010年にかけて増加となったが、それまで の減少幅が大きく、それを取り戻すまでには 至っていない。中小家畜の総資源量も減少が 続いているのであり、日本の畜産は絶対的な 縮小局面に追い込まれている。