中国山西省北部地域における水資源利用対策の実施

摘要

中国は日本の26倍に相当する面積960万km2を有し、13億人を超える世界最大の人口を抱えている。一人当たりGDPは2007年に18，934元（2，489USD）に達したが、総人口の55％を占める農村部では4，140元1（544USD）であるのに対し、都市住民は13，786元2（1，812USD）を超え、両者の格差は3．3倍と90年代前半の2．5倍に比べて拡大傾向にあり、この格差是正が大きな課題となっている。　農村部においても急激な人口増加は過耕作、過放牧、過伐採を引き起こし、森林資源の減少を始め草地の退化や土壌の劣化など著しい生態環境の悪化を招く結果となっている。このような生態環境の悪化は黄砂現象を引き起こし、黄砂による被害は中国ばかりでなく日本や韓国など近隣諸国にも及hでいる。主な黄砂の発生源はタクラマカン砂漠、ジュンガル盆地（新震ウイグル自治区）や黄土高原（山西省雁門問、内蒙古自治区オルドス）など、乾燥、半乾燥地の中国北西地域となっている。