老人性乾皮症

摘要

老人性乾皮症は60歳以上の高齢者の95%に みられる皮膚の生理的加齢変化である.症 状は体幹や四肢，特に下腿の伸側に細かな白色 の鱗屑があり，粉をふいたような外観(図1)や， 亀の甲羅のような外観(図2)である.暖房を入 れて室内が乾燥しがちな時期に発症することが 多いため，患者は毎年冬にひどく，夏にはおさ まっていると述べる.患部を触れるとかさかさとしており，皮膚が 乾燥しているのがわかる.これは老人の皮膚で は天然保湿因子，角層間脂質や皮脂が不足する ため角層の水分が不足し，角質を剥離する酵素 が活性化せず落屑が起こりにくいので，古くな つた角層が厚く堆積するためである.