心筋再生の現状と将来展望

摘要

難治性重症心不全の治療に対し，心臓移植以外 の新しい治療法の開発は急務の問題とされている。 -方，近年の発生生物学の発展、幹細胞医学の普 及に作つて，再生心筋細胞を用いた心臓再生の機述がまっている。現在，心筋再生の素になる幹 細胞として，心筋組織幹細胞，骨髄間葉系幹細胞，ES細胞，iPS細胞などを用いた心筋再生が行われ， 精力的な研究が行われている。また，昨年線維芽 細胞に心筋細胞が発現する3つの転写因子を遺伝子導入し，直接心筋細胞を誘導するダイレクトリブ ログラミング法が開発された。この方法で誘導された心筋細胞はiCM細胞と呼ばれ，新たな再生心筋細胞として注目を集めている。