正円窓にVSB人工中耳の埋め込み手術を施行した2症例

摘要

人工中耳VSB (Vibrant Soundbridge)は、伝音難聴及び混合性難聴に対する治療選択肢 の1つとして欧米で臨床導入されて久しい。VSBの装着により中音域を中心に30-40 dBの 利得があり、良好な聴取能の回復が報告されてきた。VSBの埋め込み手術では、インブラ ント先端の電磁コイル（FMT)をキヌタ骨ゃアブミ骨に装着する方法と、FMT自体を正円 窓窩に埋め込む方法の2つがある。後者では、FMTの振動が正円窓を介して直接鼓室階の 外リンパへ伝導して基底板振動を惹起することになる。今回我々は、両側混合性難聴の2症 例に対して正円窓にVSBの埋め込み手術を行ったので報告する。