欧州の化学業界、2014年上期は稼働率向上も不安要素多く－クラツカー能力削減が進展／エタン輸入に注目集まる－

摘要

欧州の化学産業は、同地域を牽引するドイツ経済ぁの減速やウクライナ情勢の悪化等もあって事業環境に不透明感が強まりつつある。2014年10月4～8日にかけてオーストリアのウィーンで開催された欧州石油化学協会（EPCA）の第48回総会の参加者からは、コスト競争力に苦しむ欧州化学業界に対する危機感や進むべき方向性などの議論が聞かれたほか、世界の化学品需要低迷を不安視する発言も多かった様子。原料転換についても、米国からエタンやウェットガス、LPG等を持ち込hだ場合、欧州内での石化競争力の格差やリファイナリーへの影響、石化原料のバランス変化、ナフサやLPGの余剰など様々な問題が発生するとの懸念も話し合われたが、具体的な予想には至らなかったようだ。今後も欧州におけるリファイナリーやクラッカーの10％以上の能力削減は不可避であり、各社ともに業績向上に向けた取り組みが必要との認識が共有され、生き残りについて様々な問題提起がなされた。同総会に参加した大手商社がリポートした。