日建設計東京オフィス構造設計室編「建築物の性能設計と検証法」

摘要

3年前まで在籍していた日建設計構造設計室が、本を出したと聞き、送られてきた本書を開いてみた。 タイトルの「性能設計」から頭に浮かhだのは、顧客や使用者に対して性能を明らかにし、性能設計の手続きの中で、顧客との合意形成や確認作業を行うことを目指すJSCA性能設計指針のような啓蒙書と、性能規定化された改正建築基準法における限界耐力計算法の解説書であった。序には、「性能設計が浸透するにつれ、設計者の責任はますます大きなものとなる。 性能設計の普及のためには、まず設計者の意識を高める必要がある」「本書は、こうした背景のもとで地震力に対する性能設計を主眼としてまとめたものである」とあるが、目次を見ると、JSCA指針に相当するものは、1章と5章にかかれているだけで、後は、建築基準法告示の計算法を解説するものであった。 なぜ、日建が計算法を、と思いながら本書を置いた。