高強度ラインパイプ鋼板におけるセパレーション発生条件-その２-

摘要

シャルピー試験後の破面を観察すると圧延面に平行な割れ(以後セパレーションと呼ぶ)が形成さ れることがある。セパレーションの形成機構については、松田らは、加工フェライト主体の2 相組 織圧延鋼板におけるセパレーション形成機構について調査しており、圧延面に平行に{100}と{111} が発達し、塑性異方性の違いによって、これら界面から割れが発生し、{100}に沿って伝播すると報 告している1)。一方、ベイナイト/マルテンサイト主体の2 相組織圧延鋼板では、フェライトと硬質 層の界面から破壊が発生し、これら界面もしくは圧延面に平行に発達した{100}に沿って割れが伝播 することを報告した2-3）。ここで、ベイナイト/マルテンサイト主体の2 相組織圧延鋼板におけるセ パレーションの伝播については、軟質相と硬質相の生成によってセパレーションが生成するのかそ れとも{100}の発達によってセパレーションが生成するのか分離できていない。本研究では、圧延面 に平行に{100}がほとhど発達していないベイナイト/マルテンサイト主体の2 相組織圧延鋼板にお けるセパレーション生成挙動について調査した