マルチフェーズフラックスを用いた精錬反応のシミュレータ開発

摘要

製鋼プロセスでは、一般にCaO系のフラックスを用いた精練が行われているが、フラックスとして添加されるCaOは高い融点を持つため、他の成分とスラグ液相を形成さることによって迅速かつ均一な精錬反応を志向するのが常識であった。しかし近年では製品のさらなる高純化と環境問題への対応が同時に求められ、その方策として、固相の共存するマルチフェーズスラグによる精錬反応が主体となっている。このようなスラグにおいては、CaOを高効率に利用することによって、はじめてスラグ発生量の削減、省資源化、CO2抑制といった様々な効果を得ることができる。このため、平成17 年から4 年間にわたり、マルチフェーズフラックスの特性が集中的に研究された１）２． シミュレータの概略。この成果を実用可能なシミュレータに生かすべく、平成20 年度より、「マルチフェーズ利用による溶銑脱燐プロセスシミュレーション研究会」において、シミュレータ開発が進められている。