(S050)横型遠心鋳造におけるバンド状偏析再現の試み

摘要

我々は透明有機物を用いて、視点を回転系に置いたことを特徴とする横型遠心鋳造の可視化実験を行ってきた。その結果、①回転に同期して等軸晶が円周方向に振動すること、②等軸晶の動きは鋳型回転数が小さいほど著しくなること、③自由界面の動きが等軸晶の生成や振動に大きな影響を及ぼすことなどを明らかにした1)。固相率の高い外側と低い内側では、見かけの粘度が異なるため、円周方向の動きには内外差が生じることがある。この内外差は剪断に他ならず、この力によりバンド状偏析が発生する可能性がある。今回、凝固中に鋳型回転数を変更することにより、円周方向に作用する剪断力を変化させて固液共存体の挙動を観察した。特に、回転数を遅くすることにより作用する剪断力を大きくしてバンド状偏析再現の可能性について検討を加えた。