方向性電磁鋼板の磁区構造モデリング

摘要

方向性電磁鋼板はゴス方位と呼ばれる(011)[100]方位か らなる結晶粒の集合体であり、圧延方向の磁気特性が非常 に優れた3%Si-Fe 合金である。その磁区構造はFig.1 に示 したように圧延方向に平行なストライプ状の主磁区と、ラ ンセットと呼ばれる補助磁区から成り立っている。前者は 180°磁区とも呼ばれる。後者は表裏面に現れる２つのスパ イク状磁区とそれらを連結する形で板厚方向に貫通した磁 区から成り立っていると考えられており、主磁区が沿う磁 化容易軸<100>が圧延方向と平行でない場合等に、磁区が還 流するように現れて表面での漏れ磁束をなくし、静磁エネ ルギーを低下する役割を持っている。