カリクレインーキニン系とレニンーアンジオテンシン系

摘要

カリクレインーキニン系（kallikrein－kinin sys－tern：KKS）とレニンーアンジオテンシン系(rem n－angiotensin system: RAS）はそれぞれブラジキン（bradykinin：BK）とアンジオテンシンII（an－giotensin II：Ang ll）を中心とする様々な蛋白や酵素によって構成され，それぞれ多彩な生理作用を発揮し，また様々な病態への関与も明らかとなってきた．その構成因子に関して詳細な研究が進むにつれ， KKSは血管拡張や細胞増殖抑制，RASは血管収縮や細胞増殖に代表されるよ　 うに，生理作用において対極に位置するにもかかわらず，この2つの系は様々なレベルにおいて直接的，間接的に結びつき，相互に密接な調節を行っていることが明らかになってきた．本稿では，最近明らかにされてきたKKSとRASの相互関係について述べる．