チタン合金の局部加熱インクリメンタルフォーミングの適用検討－チタン合金のインクリメンタルフォーミング法の開発 第2報

摘要

この報告では考案した成形法が成立する基本的なメカニズムや条件を示しているが，その成形限界を律する条件因子が明らかにされていない．特に通常のインクリメンタルフォーミングで重要となる工具先端球面径や等高線ピッチ等の幾何学的因子の影響は，まだ十分に明らかにされていない．またこの報告では強いスプリングバックの発生が観察されており，実用化を進めるためには形状品質を確保する対策も不可欠な課題となる．そこで開発した加工法の実用化を進めるため，高強度チタン合金板材を供試材とした成形実験および部品試作を行った．これにより成形限界に影響を及ぼす加工条件を調査し，その傾向を考察した．また複雑な容器状部品の試作を通し，この加工法の汎用性およびひずみの発生状況を把握した．さらにこの部品のひずみ矯正を試行し，その効果を評価した．以下にその結果を報告する．