柔軟性確保へ再構築進めるBASF

摘要

イーゲー系化学ビッグスリーを中核としたドイツの化学業界体制が90年代後半以来，Hoechstの解体やBayerの事業分割による持ち株会社への移行などにより激変するなかで，唯一，総合化学体制を維持しながら世界最大の化学企業にとどまっているBASFの帰すうが注目されてきたが，2003年に就任したJuergen Hambrecht新会長の進めるリストラクチュアリングと新世紀のBASF戦略の大要が次第に明確になってきた。 それはVerbund（フェアブント＝統合）拠点の世界展開を基軸としたStrube前会長の路線を踏襲しながらも，新世紀の新しい現実に即して修正，持続可能な成長基盤を構築しようとするもので，地味ながら，化学企業が生き残るための極めて野心的な挑戦のようにみえる。