「環境税」導入にガス業界団体は反対表明者見続々―2004年には税導入の是非めぐり本格議論へ、反対意見強めるのは必至―

摘要

環境省中央環境審議会「地球温暖化対策税制専門委月会」が今夏とりまとめた「環境税」導入の必要性とその税体系案（徴収と水準）を主旨とする報告書へのパブリックコメント募集が先月末締め切られたが、ガス業界などから多くの導入反対意見が寄せられ一般紙をも賑わせる話題となっている。 税導入理由は簡単にいうと、温室効果ガスを排出する化石燃料に、必要な調整を経て従来税と併せ関連業界から徴収し、省エネによるCO_2削減や省エネ機器開発と導入の促進を期待し、更にその税収を研究開発等対象事業へ補助金を出すことで、京都議定書の所期の目的「2008から2012年時、1990年レベルのCO_2排出量6％削減」（2000年時点1990年比8％増加）を達成することが可能との見解を示したことによる。 一方、反対意見の中には「税率アップでCO_2が抑制できるなら何も環境省が実施するまでもない。 他の既存税の親水準を見直せばいい」「取り易い石油元売りなどから徴収するのでは、実質転嫁は末端まで浸透しにくい。 結果はエネルギー使用者の意識高揚にはつながらない」―など新税創設の意義やその実効性にいたるまで様々な内容が見受けられる。 当然、既存税の多くを所管する経済省は関連業界団体を通じ“反対表明”をしているが、果して実施されることになるのかどうか。 来年度、この報告書をもとに国民的議論を高めたい―とする環境省だが、ガス業界としては、今期石油石炭税増税を受け、環境省の対策費用をまかなう財源を拠出したばかり。 また、家庭業務用施設へのガスエンジンや燃料電池普及促進を一つの命題として取り組みを始めている。 新税導入には時間があり、その間充分議論できるとはいうものの、社会情勢によりどう転ぶか予断の許さない現状、確固たる反対理論を構築しておくことは必要となってきそうだ。