地熱開発の促進と安定を適正な買取価格の長期固定

摘要

新エネルギー財団は、地熱エネルギーの開発·利用推進に関する提言をまとめた。それによると、平成23年8月26日、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」（再生可能エネルギー買取法）が成立し、今年7月1日から施行されることとなった。この法律では、再生可能エネルギーの種別や条件を考慮して、細かな買取価格を設定することとなる。そのため、買取価格の諮問に答申する「調達価格等算定要員会」で、十分な検討を経た合理的な買取価格決定が迅速に行なわれることが望まれる。買取価格は、地熱事業が成り立つ価格に設定されることが、新規地熱発電開発事業の促進と安定性を保証する上で必要不可欠である。また、地熱発電所の開発リードタイムは、最短でも9年近くと、太陽光や風力といった自然エネルギーよりもはるかに長いことから、「全量買取制度の恒久的継続」と「事業として成り立つ適正な買取価格の長期固定化」を要望する。「全量買取制度の恒久的継続」では、地熱発電所の開発リードタイムは太陽光や風力といった自然エネルギーよりもはるかに長い。従って、地熱発電開発に関わる全量買取制度については、長い開発期間を見込むことができるよう、制度の適用が恒久的に担保されることを要望する。次に、「事業として成り立つ適正な買取価格の長期固定化」では、開発途上での買収価格の変更は経済性評価に大きく影響し、事業の継続性をも左右するファクターである。とのため、制度の恒久的な継続とともに、買取価格も事業として成り立つ適正な価格で長期的に固定するよう提言している。