内分泌性高血圧 そのスクリーニングと確定診断法

摘要

内分泌性高血圧は外科的処置で治癒可能ないわゆる二次性高血圧症で,頻度の高い疾患である.著者らは,一般内科外来で日本人の高血圧症1,020例を対象に, 5年間にわたるprospective studyを行った.その結果最終的には6.0%が原発性アルドステロン症,Gushing症候群が1.0%,プレクリニカルGushing症候群が1.0%,褐色細胞腫がo.6%,腎血管性高血圧がo.5%に認められた.残りの90.9%が本態性高血圧症と確定診断された.したがって,内分泌性高血圧症はけっしてまれな疾患ではなく,かならずしも典型的な臨床症状,身体所見を呈さず高血圧のみが主症状であるため,初診時に各種ホルモンを測定し鑑別を行う必要がある.これら疾患は外科的処置で治癒が期待されるため,単に薬物治療を行い血圧を低下すれば事足りると単純に判断せず,内分泌性高血圧の存在を念頭におき高血圧初診時に十分な鑑別をする必要がある.