胎児治療·EXIT

摘要

新生児外科の長足の進歩にもかかわらず,出生後の治療では救命できないあるいは重篤な後遺症が残る疾患が確実に存在する.それらに対しては胎児治療が不可欠である.分娩途中で胎盤環境を維持しながら行うEXITや子宮切開を伴わない超音波ガイドあるいは胎児鏡下手術は安全な治療法として確立しつつあり,わが国でも症例が重ねられている.一方,子宮切開を必要とする手術は欧米においても限られた施設で試験的に行われているが,わが国では臨床応用されるには至っていない.子宮切開による胎児手術の確立が今後の課題である.