インスリン療法の位置づけと適正使用—ィンスリン療法のすべて

摘要

インスリンはすべての糖尿病薬のなかでもっとも長い90年以上にわたる歴史をもち，効果が確実，1単位 ごとの微調節が可能で，妊娠例，小児や周術期を含めてほとhどの場面で使用できる.一方で，注射薬である ため内服薬に比べて手間がかかること，在宅自己注射管理料などもかかつてお用がかさむこと，使い方次第で は体重增加や低血糖を招きやすいこと.などのデメリツ卜があり，適応と使い方を十分に理解して用いる必要 がある.これまでの臨床スタディの結果では.早期から低血糖や体重増加に注怠して慎重にすこしずつインス リンを使用することが推奨される.できれば.糖毒性を取り除いてィンスリンを減量していくことも意識して 使用したい.周術期や集中治療室での点滴管理の場合には，ブドウ糖に合わせて速効型ィンスリンを経静脈的 に投与する.本稿では糖尿病薬におけるインスリンの位づけと適正使用について，基礎から最新の報告にも 触れて解説する.