MRIによる内リンパ水腫の診断

摘要

Meniere病は，回転性めまい発作，変動性低周 波数領域感音性難聴，耳閉感，耳鳴りによって特 徴付けられる内耳障害である.内リンパ水腫は， 長い間Meniere病の病理的基盤であるとされてき た.Meniere病の診断のガイドラインと完全には 合致しない内耳症状を有する一部の患者も，内リ ンパ水腫に関連すると考えられている.内リンパ 水腫は,内リンパ腔と外リンパ腔の境界を定める 膜構造が内リンパ容積の拡大によつて膨張されて いる病理学的解剖学的所見である.American Academy of Otolaryngology-Head and Neck Surgery (AAO-HNS)の1995年合意声明のなか で，Meniere病診断が「"definite" Meniere病の 診断は臨床的基準によって行われるが， "certain" Meniere病の診断には死後の側頭骨標本において 内リンパ水腫を組織学的に実証することが必要」と規定されている.