左右非対称性決定機構－対称から非対称へ-

摘要

われわれ脊椎動物の身体の左右は外見上は対称であるが，心臓をはじめとしてほぼすべての内部臓器は左右非対称な配置をとる．はじめ対称な受精卵よりなぜ左右非対称性が形成されるかは不明であったが，この機構の解明はここ5～6年間で長足な進歩を遂げた暮　 nOde flowモデルは，iv（inversus viscerum）マウスに代表されるランダムな左右決定機構,Kartagener症候群における繊毛異常と内臓逆位の合併を見事に説明した.invマウスはほぼすべての変異体において逆位が生じる変異体で，初期過程において非対称性形成に関与すると考えられ．やはりnode flowモデルで説明されていた．しかし．このinv遺伝子がnode flowが証明されていないツメカエル(Xenopus)．セブラフイッシュでも左右決定に関与することから．node flowモデル以外の左右非対称性形成経路の存在の可能性が示唆される．