職場における未病対策

摘要

職場において労働者は年に1回は定期健康診断を受け，有病者，有所見者，無所見者と判定される．近年，高年齢労働者が増加しているので，無所見者が有所見者にならないように，また有所見者が有病者にならないように健康管理することが大切である．有所見者の数を減らすため，健康診断後の事後措置として保健指導が努力義務となった．無所見者に対して一次予防を進めていくうえで最善の方法は健康教育の推進である．有所見者に対する保健指導や，無所見者に対する健康教育こそ，産業医のもっとも重要な職務のひとつである．最近，"事業場における労働者の健康保持増進のための指針"が示され，"心と身体の健康づくり"をスローガンとして，トータルヘルスプロモーションプランが開始された．このように職場での未病対策として，健康診断とその後の事後措置（保健指導）や各種の健康増進対策（健康教育·健康づくり）が行われている．