小児科における救急医療の現状と展望:理想的な小児救急医療体制はだれがつくるべきか

摘要

小児救急医療の現状は, 育児不安の増大，社会の24時間化,専門医志向,完結医療志向などの保護者の要望の増加の問題と,夜間診療可能な小児科医不足，医療側の小児救急に対する見識不足，兼務体制による医療提供の継続など提供側の問題とが複雑に絡hでいる．しかし，そこにたがいの意識における乖離が生じていることが，現状をさらに複雑化していいると言える．より理想的なか小児救急医療提供体制を構築するには，この乖離を解消し，大事な地域の医療資源を協働で育成する意識を共有する必要があろら．このをめの医療側の余裕ある提供体制を行つていくには兼務体制から専任体制による医療提供が不可欠であり，小児救急医学としての学問的体系化が必要である．また保護者側といては，集約化·重点化体制や外来トリアージ体制をとへの理解と協力が不可欠であり，医療資源を有効利用するいう視点をもつてもらうことが必要となるであろう．