体位性頻脈症候群

摘要

体位性頻脈症候群（postural tachycardia syndrome ： POTS)は，起立後血圧低下を認めないにもかかわらず低血圧，起立不耐症状を呈する起立時循環異常である.起立後血圧低下がなくても著明な頻脈を伴う場合はPOTSの可能性を考えておく.立ちくらみ，起立時の頭痛，倦怠感，動悸など起立に関する症状が主で，臥位になると改善することが特徴である.睡眠障害の合倂が多く，気候変動(畺いと悪化することが多い），曰内変動（牛後から症状軽減することが多い）も認めることが多い.脱水傾向，末梢静脈プーリングが増悪因子なので，日常生活でこれらを回避する工夫をすることが症状コン卜ロールに重要である.薬物療法として選択的ひ，作動薬であるミドドリン塩酸塩，非選択的beta ブロッカーであるプロフラノロールが使用される.小児の場合は心身症的発症.增悪が多く，心理社会的介入が必要になるケースが非常に多い.