糖尿病と骨粗鬆症

摘要

糖尿病はインスリン分泌低下を主因とする1型糖尿病と,内臓脂肪肥満などを背景としインスリン抵抗性を主因とする2型糖尿病に分けられる．インスリン治療が必須の1型糖尿病では,胃密度が低く,したがっこ胃折危険率も高いことが以前から確立されており,積極的なインスリン治療による糖尿病コントロールが胃折予防においても南効と考えられる．一方,しばしば肥満を伴う2型糖尿病では,胃密度は高値を示すことが多い．そのため,2型糖尿病は胃折および骨粗鬆症のリスクにならないと考えられた時期もあった．しかし,最近のメタ解析では,2型糖尿病では昏密度が低下を伴わなくとも胃折率が高いことが明らかとなった．したがっ乙2型糖尿病における胃折予防のためには，適切な治療による血糖コントロールに加えて．早期からの胃粗鬆症薬物療法を考慮すべきと考える．