認知症の在宅医療

摘要

わが国の認知症の方は高齢人口の増加とともに増えており，2012年現在は300万人以上と推定さ れている.これらの方々を診ていくのは，専門医だけでは物理的に不可能であり，地域のプライマリ-ケア医が中心となって診ていく疾患である.認知症の高齢者によくみられる生活障害へのァドバイス を行うのは，その方の家族構成や生活歴をよく知っている医師の仕事である.また，多くの場合さま ざまな合併症を有していることが多いので，それらの管理も言めて総合的に診察を進めていくべきで ある.さらに，生活を支えるためには，多職種協働によるチームケアも必要であり，各職種の方と顔 のみえる関係を築くことにも努めなければならない.また，認知症の方は認知機能の低下に伴い，身 体機能も低下するので訪問診療も行うことも必要である.