治療薬剤：（3）門脈圧亢進症の薬物療法

摘要

門脈圧亢進は肝内血管抵抗の上昇と門脈血流量の増加によって生じる．また，肝内血管抵抗の上昇には組織的要因と動態的要因がある．組織的要因による肝内血管抵抗上昇を改善する薬剤には，インターフェロンヤアンジオテンシンⅡ受容体括抗薬などがあり，動態的要因による肝内血管抵抗上昇を改善する薬剤には亜硝酸製剤やプラゾシンなどがある．門脈血流量を減少し門脈圧を低下させる薬剤には，バソプレシン，プロプラノロールなどがあり，食道静脈瘤の治療に広く用いられている．肝内血管抵抗を改善する薬剤の臨床的有用性については今後の検討が必要である．