胃全摘，脾（膵）合併切除術に必要な微細解剖知識 膵尾脾合併切除を伴う腹腔鏡下胃全摘術の実際

摘要

胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除の普及が進 hだ現在，その適応は胃全摘にも広がりつつあ る。われわれは，積極的に腹腔鏡下胃全摘にも取 り組み，より安全かつ確実な手術をめざし手技の改良に努めてきた。 U領域にかかる，大彎側 を主座とする胃癌では，No.10リンパ節の郭清の ため，脾合併切除が一般的であり，また腫瘍の眸 尾部への浸潤を伴う症例においては，膵尾脾合併 切除も必要とされる。本稿では，脾（膵）合併切 除を伴う腹腔鏡下胃全摘の手技の実際を紹介し， 手術に必要な微細解剖知識を解説する。